ダウンスイングで右腰が痛み、止めていた回転が振り切れるまでに

右腰の痛みだけでなく、スイングに必要な胸郭・股関節・足首など全身の動きを確認したところ、肝臓や小腸まわりの膜を含む5か所の硬さが見つかりました。これらがなぜ右腰への負担につながっていたのか、実際に行った施術とスイングの変化を経過に沿ってご紹介します。

60代男性・経営者・ゴルフ愛好家

ダウンスイングで右腰の痛みがつらい

  • ダウンスイングに入った瞬間に右腰へ鋭い痛みが走り、無意識に体の回転を止めてしまう
  • インパクトで右腰に痛みが響き、フォロースルーまで振り切れない
  • 左へ体重移動しにくい
  • 後半になるほど腰が重くなる
  • 左へひねると右腰が詰まる

毎週マッサージを受けていましたが、変化はありませんでした。

毎日の練習や頻繁なラウンドを続けており、練習を続けながら、できるだけ早く身体を整えたいというご希望もありました。

胸と骨盤で回すはずの回転を、右腰だけで補っていた

本来のダウンスイングでは、胸郭の回転に合わせて骨盤が自然に回り、股関節と足首が地面の力を受け止めて体幹へ伝えることで、全身が連動して回転します。

触診と動作の確認の結果、この方の場合は胸郭・骨盤・股関節・足首まわりの筋肉や膜、関節、さらに内臓まわりの膜が複数箇所で硬くなり、回転や力の伝わりを担う働きが低下していると考えられました。そのため本来は胸や股関節が担うはずの回転を、右腰だけで無理に代わりに行っている状態になっていました。

肝臓や小腸まわりの膜、右足首の硬さまで、右腰への負担に関係していた

みぞおち右奥の内臓(肝臓)まわりの膜

呼吸時に右側の肋骨が広がりにくく、胸郭を左へ回す動きを制限していた

右胸前側の筋肉(大胸筋)と周囲の膜

胸や肩まわりの動きを制限し、スイングに必要な胸郭の左回旋を小さくしていた

右股関節前面の筋肉(腸腰筋)

右股関節が後ろへ伸びにくく、フォロースルーに必要な骨盤の回転を小さくしていた

下腹部奥の内臓(小腸)まわりの膜

腹部から骨盤まわりの柔軟性が低下し、体幹を左へひねる動きを小さくしていた

右足首の関節

地面から受けた力が下半身から骨盤・体幹へ伝わりにくく、左への体重移動と骨盤の回転が小さくなっていた

これら5か所の硬さが重なり、胸郭と骨盤の回転や、下半身からの力の伝わりが小さくなっていました。
右腰以外の硬さが残ったままでは、右腰だけを施術しても、右腰が回転を補う状態は変わりにくいと考えられました。

初回施術で変化|ダウンスイングの右腰痛が軽くなった

まず、検査で確認した5か所の硬さから、右腰への負担に関係していた順に緩めていきました。

初回は5か所それぞれに施術を行い、そのあとに残った全身の筋肉のこわばりにも施術を行いました。ここでは、そのうち2か所の施術と、残ったこわばりへの施術をご紹介します。

肝臓まわりの膜には内臓マニピュレーション

  • 施術方法:内臓マニピュレーション(内臓整体)
  • 施術内容:肋骨弓(みぞおち両横の肋骨の下縁)の下から指を入れ、肝臓をやさしく押し上げるようにしながら働きかける
  • 施術時間:約5分
  • この方法を使った理由:骨格の矯正やもみほぐしでは届きにくい内臓まわりの膜へ、直接アプローチするため

5か所の原因の中でも、ここがゆるんだ瞬間の反応が最も大きく、右足からお尻、背中、右肩にかけての緊張まで一気にゆるみました。

腸腰筋にはポジショナルリリース

  • 施術方法:ポジショナルリリース
  • 施術内容:施術内容:仰向けで、施術者が患者の股関節を90度に曲げ、脚を外側へ45度開き、外向きに45度ねじった姿勢へ導き、腸腰筋が最も緩む位置を探して、その姿勢を保つ
  • 施術時間:約1分
  • この方法を使った理由:お腹と腰の奥にあり、通常のほぐしでは届きにくい腸腰筋へ働きかけるため

5か所の施術後に残った筋肉のこわばりにはトリガーポイントへの押圧

  • 施術方法:トリガーポイントへの押圧
  • 施術内容:いくつかあるトリガーポイントを親指で1か所数分ずつ押圧
  • 施術時間:全身で約20分
  • この方法を使った理由:骨格の矯正だけでは全身の硬くなった筋肉までは十分にゆるみきらず、膜へのアプローチだけでは全身をほぐすには効率が良くないため

肩まわりのトリガーポイントを親指で押圧してほぐしている施術の様子

施術後に胸郭の回旋、股関節の伸び、足首の動きを確認すると、いずれも施術前よりスムーズに動く状態に変わっていました。

初回施術後、練習やラウンドで実際にスイングした際には、次の変化が見られました。

  • ダウンスイング時の右腰の痛みが大きく軽減
  • 止めていた回転が戻り、フォロースルーまで振り切りやすくなる

痛みそのものには早い段階で変化が見られましたが、日々の練習やラウンドを重ねる中で蓄積してきた硬さには、まだ課題が残っていました。

そのため、初回の変化だけで終わらせず、右腰へ負担が集中しやすい状態をさらに整えていくことにしました。毎日の練習や頻繁なラウンドを続けながら、できるだけ早く身体を整えたいというご希望もあったため、1回の施術時間を長く取れる60分前後を選び、1週に1回のペースで集中施術期へ移行しました。

2〜3回目|練習中の痛みは減っても、ラウンド後半には重さが戻った

2〜3回目の施術を終える頃には、通常の練習程度であれば右腰の張りや痛みを感じる場面は減っていました。

しかし、ラウンド後半に入ると、腰に重さが戻ってくる感覚が残っていました。

身体には、動きの量が増えたときに戻りやすい部分が残っていました。

  • 胸郭の回旋がまだ浅く、動きの量が増えると硬さが戻りやすい
  • 股関節の伸びが十分に定着していない
  • 下半身から体幹への力の伝わり方にムラが残っている

通常の練習では痛みが減っていても、ラウンド後半まで右腰以外へ負担を十分に分散できる状態までは安定していませんでした。

4〜6回目|残っていた身体の動きが変わり、後半のスイングが安定してきた

残っていた胸郭の回旋や股関節の伸び、下半身から体幹への連動を触診と動作で確認していると、肝臓まわりの膜や腸腰筋に加えて右足首の関節にも硬さの戻りが見られました。そのため、内臓整体とポジショナルリリースに加え、右足首の関節矯正(足首を牽引して関節本来の動きを引き出す手技)を行い、調整を重ねていきました。

身体の動きには、次の変化が見られました。

  • 胸郭が回りやすくなる
  • 股関節がスムーズに動く
  • 足首で踏ん張りやすくなる
  • 下半身から体幹へ力が伝わりやすくなる

ラウンド後半でも身体を回しやすくなり、右腰の重さを感じるまでの時間が長くなってきました。ただし、後半まで安定して振り切れる状態には、まだ至っていませんでした。

7回目|右腰の痛みを気にせず、フォロースルーまで振り切れる状態に

スイングには、次の変化が現れました。

  • ダウンスイングで右腰の痛みを気にせず、フォロースルーまで振り切れる
  • 左へ体重移動しやすくなる
  • 左へひねっても右腰が詰まりにくくなる
  • ラウンド後半でも体が回りやすく、腰が重くなりにくい

7回目で集中施術期を終了し、整った回転動作を定着させるため安定施術期に移行しました。

安定施術期|7回目で振り切れるようになっても、練習による硬さの戻りが残っていた

7回目には右腰の痛みを気にせず振り切れるようになりましたが、毎日の練習や頻繁なラウンドによる身体への負担は続いていました。特に胸郭まわりは、動きの量が増えると硬さが戻りやすく、回転動作を安定させるには引き続き施術が必要な状態でした。

安定施術期では、硬さが戻りやすかった胸郭まわりを中心に内臓整体を行いました。また、全身の筋疲労を確認すると、脇から腰にかけての広背筋、お尻まわりの殿筋群、ふくらはぎ奥の後脛骨筋にも硬さが見られたため、約30分かけてほぐしました。

週1回のペースで3か月間、これらの調整を重ねることで、練習やラウンドを続けても身体の回転が崩れにくい状態へと安定していきました。

右腰の痛みを気にせず振り切れ、ラウンド後半も回転しやすい状態に

来院時はダウンスイングで右腰に鋭い痛みが走り、身体の回転を止めていましたが、現在は痛みを気にせずフォロースルーまで振り切れるようになっています。

左への体重移動もしやすくなり、左へひねったときの右腰の詰まりや、ラウンド後半の腰の重さも以前より出にくくなりました。患者様からは、飛距離やショットの安定感も出やすくなったという声をいただいています。

現在は、練習やラウンドによる筋疲労をほぐし、身体のバランスを整えながらゴルフのパフォーマンスを維持するため、週1回、60分のメンテナンス施術を継続されています。


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