左腰の痛みだけでなく全身を確認したところ、足首や顎、肩甲骨のように離れた場所も含め、膵臓まわりの膜や骨盤底の筋肉など6か所に硬さが見つかりました。これらがなぜ左腰への負担につながっていたのか、実際に行った施術とその後の変化を経過に沿ってご紹介します。
40代男性・トラック運転手
長時間運転で左腰の痛みがつらい
- 長時間運転すると左腰が痛み、車から降りるときに固まる
- 運転時間が長い日は左のお尻まで重だるくなる
- 夕方になると腰が伸びにくい
- 座り続けた後の歩き始めがつらい
- 慢性的に疲労感が抜けにくい
左腰の痛みは20代からありましたが、1年ほど前から強くなってきました。
湿布やストレッチでは一時的に軽くなるものの、翌日には戻り、徐々に長時間運転そのものが不安になってきたとのことでした。
なぜ運転で左腰が固まって痛くなっていたのか?
本来、長時間座った運転姿勢でも、骨盤や股関節がわずかに動き、呼吸に合わせて胸郭が動くことで、姿勢を支える負担は骨盤・体幹・脚など複数の場所に分散されます。
検査で全身を触って確認すると、この方は骨盤まわりや胸郭だけでなく、足元から上半身まで全身の筋肉や膜が硬くなっており、運転中の負担をうまく分散できない状態でした。
車から降りるときにも、この硬さが影響していました。長時間座っていた状態から身体を起こすには骨盤や股関節を動かす必要がありますが、硬さのために十分に動かず、不足した動きを左腰で補いやすい状態になっていました。そのため降車時には、強い痛みや固まり感として現れていました。
つまり、左腰が固まり痛むのは、単純な疲労というより、複数箇所の硬さによってつくられた、「左腰へ負担が集中する構造」の結果と考えられました。
湿布やストレッチが一時的にしか効かなかったのも、左腰だけが対象で、負担を集めていた他の場所は変わらなかったためと考えられました。
左腰へ負担を集めていた6つの硬さ
これら6か所の硬さに、上半身の力みや体幹のねじれも加わり、長時間ほぼ同じ姿勢を保つなかで、動きにくい骨盤や胸郭の代わりに左腰の筋肉が姿勢を支え続けることになり、時間が長くなるほど負担がたまって、痛みや固まり感が出やすくなっていたと考えられます。
初回施術での変化|車から降りる瞬間の固まり感が軽くなった
まず、検査で確認した6か所すべてを、左腰への負担に関係していた順に緩めていきました。
6か所の施術を、3つに分けて紹介します。
右足首の硬さにはブートジャックテクニック
- 施術方法:ブートジャックテクニック(関節矯正)
- 施術内容:
仰向けで右の股関節と膝を約90度に曲げて、術者の肘で太もも裏を固定し両手で足首を牽引 - 施術時間:約3分
- この方法を使った理由:マッサージのようなほぐしでは緩まない関節の詰まり(関節圧縮)に、直接アプローチするため

その結果、右側の足首周りからすね、膝、太もも、股関節、背中にかけての筋肉の硬さがゆるみ、関節が動きやすくなりました。
膵臓まわりの膜には内臓マニピュレーション(内臓整体)
- 施術方法:内臓マニピュレーション(内臓整体)
- 施術内容:仰向けで左上腹部奥、肋骨の下からおへそ右横にかけて走行する十二指腸(胃から続く小腸の最初の部分)の内側に手根(手のひらの付け根)をひっかけ、内側から外側に牽引することで、膵臓まわり全体の膜にバランスよく刺激が入るようアプローチ
- 施術時間:約3分
- この方法を使った理由:骨格の矯正やもみほぐしでは届きにくい内臓のまわりの膜へアプローチするため
施術後は、体幹を左に回す動きが良くなりました。
骨盤底筋と全身に残った筋肉のこわばりにはトリガーポイントへの押圧
- 施術方法:トリガーポイントへの押圧
- 施術内容:尾骨と坐骨結節(座ったときにイスに当たる骨)の間、左胸下部(大胸筋下部)、右顎(咬筋)、右肩甲骨背面(棘下筋)、背中・腰・足などにある主要なトリガーポイントを押圧
- 施術時間:骨盤底筋5分、左胸下部1分、右顎1分、棘下筋3分、背中・腰・足10分
- この方法を使った理由:骨格の矯正だけでは全身の硬くなったトリガーポイント(筋肉のコリのようなもの)までは十分にゆるみきらず、膜へのアプローチだけでは全身をほぐすには効率が良くないため
初回施術後に身体の動きを確認すると、足首や骨盤まわり、胸郭の動きに変化が見られました。そして次の来院時には、その後の運転で、来院時に困っていた症状にも次のような変化があったとお聞きしました。
- 車から降りる瞬間の固まり感が軽減
- 左腰の固まり感が減少
- 歩き始めがスムーズになる
早い段階でこのような変化が見られましたが、長時間の運転によって日々かかり続ける負担には、まだ課題が残っていました。
そのため、初回の変化だけで終わらせず、左腰へ負担が集中しやすい状態をさらに整えていくため、1枠30分前後、週に1回のペースで集中施術期へ移行しました。
2〜4回目|降車時は楽になったが、長距離運転後には重さが残る
この頃には、車から降りる瞬間の固まり感は減り、配達先での歩き始めもスムーズになっていました。
しかし、長距離を運転した翌日には、左腰からお尻にかけての重だるさが戻る状態が残っていました。
身体を確認すると、長時間の運転によって戻りやすい部分が残っていました。
- 座った姿勢が続いた後は、骨盤深部が動きにくくなる
- 呼吸に伴う胸郭の動きに、まだ硬さが残る
- 体幹を左に回す動きに、まだ制限が残る
初回より車から降りやすくなってはいても、長時間運転による負担を左腰以外へ十分に分散できる状態までは安定していませんでした。
そのため、初回に施術した部位のうち、骨盤深部には骨盤底筋のトリガーポイント押圧、胸郭の動きには左胸下部の筋肉(大胸筋下部)のトリガーポイント押圧、体幹を左に回す動きには膵臓まわりの膜への内臓マニピュレーションを、再び行いました。
調整を重ねると、車から降りる動作や歩き始めはさらに楽になりました。
5〜8回目|運転中の姿勢が楽になったが、長距離の日にはまだ戻る
2〜4回目を終えても、長時間運転の後には骨盤深部の硬さと胸郭の動きに戻りが見られ、運転中の上半身の力みも残っていました。
そこで、上半身の力みに関係する右顎の筋肉(咬筋)と右肩甲骨背面の筋肉(棘下筋)にも、トリガーポイント押圧を再び行いました。骨盤底筋、左胸下部の筋肉、膵臓まわりの膜は、戻り具合に合わせて調整を重ねました。
- 骨盤深部が動きやすくなる
- 呼吸に伴い胸郭が広がりやすくなる
- 上半身の力みが減る
- 長時間座っても姿勢を支えやすくなる
こうした身体機能の変化が重なり、長時間の運転でも左腰だけに頼らず姿勢を支えやすくなっていきました。運転中の姿勢も楽になったと、ご本人から伺っています。
ただし、仕事では長距離運転が続き、8回目の段階でも運転時間が長い日には左腰まわりに硬さが戻ることがあったため、集中施術を継続しました。
9〜10回目|長時間運転しても左腰が固まりにくくなり、集中施術期を終了
この段階では、身体機能の変化が実際の運転中にも現れるようになりました。
- 長時間運転しても左腰が固まりにくい
- 車から降りるときの痛みがかなり軽減
- 運転時間が長い日の左のお尻の重だるさが減る
- 運転時間が長い日の夕方も、腰が伸びにくい感覚が減る
- 座り続けた後も歩き始めが楽になる
- 仕事後の疲労感が減る
週に1回のペースで初回から10回、約10週間を通じて身体の動きと運転後の症状に段階的な変化が確認できたことから、この時点で集中施術期を終了し、整った状態を定着させるため安定施術期へ移行しました。
安定施術期|長距離運転の負担が続くため、2週間に1回で2か月ほど続けた
運転による負担は継続するため、2週間に1回のペースで2か月ほど安定施術を行いました。
長時間運転した後に戻りやすかった骨盤・胸郭まわりを確認しながら調整を重ね、左腰へ負担が集中しにくい状態を安定させていきました。
現在の状態|長距離運転の後も左腰が固まりにくく、仕事後も動けるように
集中施術・安定施術を経て状態が安定したため、現在は長距離運転を安定して続けられる体づくりを目的に、3〜4週間に1回のメンテナンス施術で通院されています。
以前は、長時間運転すると左腰が固まり、車から降りるときの痛みや夕方の腰の伸びにくさ、仕事終わりの疲れが続いていました。現在は、長距離運転の後も左腰が固まりにくく、車から降りるときの痛みも軽くなり、仕事後も動けるようになったと喜んでいただいています。長時間運転そのものへの不安も減り、体が軽くなって、運転中のパフォーマンスも安定しているとのことです。
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